このページでは自費購入のAZLA製イヤホン「TRINITY」をレビューしています。
製品の評価
レビューにあたり、比較製品として「final E500」「Funlogy Wired Earbuds 」などを使用しています。
2200円のイヤホンとしては全体的にバランスの良い製品です。本体の作り、付属品の充実、音域を選ばず迫力のある音質。ただし、音場が近くて狭いので空間や音数の多い曲は好みが分かれます。(迫力があるので「これはこれで」という意見もあると思います)
リケーブルやイヤーピースの交換を心配する必要のないオールインワンのパッケージ。スマートフォン付属のイヤホンからアップグレードする最初の選択肢として検討するのが良さそう。
「この価格帯では」という枕詞が必要ですが、リケーブルやイヤーピースの交換を心配する必要のないオールインワンのパッケージ。
製品のおさらい
特徴とスペック

- AZLA公式ウェブサイト
(アユート共同企画のため公式に商品は掲載されていません) - 国内プレスリリース
- 国内商品ページ
- AZLAとアユートの共同企画
- 8mm径ダイナミックドライバー「発展型ARD」搭載
- アルミニウム筐体採用による共振抑制
- KCC SILICONE社製イヤーピース「SednaEarfit T」4サイズ付属
- 持ち運び用のキャリングポーチ付属
- 3.5mmL字120cm Standard / 150cm USB-Cタイプ
AZLAはポータブルオーディオプレーヤー業界に勤めていた創業者が2017年に設立した韓国のオーディオブランド。特にイヤホンやイヤーピースで知られているメーカー。
TRINITYは国内販売を手掛けるアユートとの共同企画で生まれた製品。より高価な製品に搭載されていたARDドライバーをベースに、同じ8mm径の新開発ドライバーを搭載。
3.5mmプラグとUSB-Cの2系統で、3種類のカラーに対応。流通は日本国内に留まっているのか、海外レビュワーによる評価は探しても見つかりません。
製品名 | AZL-TRINITY |
型式 | 密閉型 |
ドライバーユニット | ダイナミック型 1DD / 1ドライバー 発展型ARD |
周波数応答範囲 | 10 – 40,000 Hz |
感度 | 104 dB SPL/mW(@1KHz) |
インピーダンス | 16Ω(@1KHz) |
Standardタイプ ケーブル/プラグ | 4芯OFCリッツケーブル (約120cm) プラグ(L字):3.5mm 3極 |
USB-Cタイプ ケーブル/プラグ | 高感度インラインリモコンマイク搭載4芯OFCリッツケーブル (約150cm) プラグ(ストレート):USB Type-C |
ハウジング素材 | アルミニウム |
サイズ | 未記載 |
重量 | 未記載 |
防塵防滴 | - |
付属品 | SednaEarfit Tプレミアムシリコンイヤーピース:4ペア ロゴ入りオリジナルキャリングポーチ |
生産国 | 中国 |
価格
正規品で2200円前後。有線イヤホンの世界と音質の片鱗を体感するためのクラス最高音質を目指したスーパーエントリーモデルと銘打っています。この価格帯の主な競合製品はfinal E500あたりでしょうか。
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外観
箱・付属品
箱

「全て音楽愛好家のためのゲームチェンジャー」「音質最優先」とかなり強気なテキストを添えた製品名や製品がプリントされています。イヤホンのカラーリングに合わせて外箱のカラーも変わります。
付属品

- イヤホン本体
- 本体装着イヤーピース
- 予備イヤーピース3種類
- キャリングポーチ
イヤーピースはKCC SILICONE社製プレミアムシリコンを採用した「SednaEarfit T」が付属。SednaEarfitは1ペア 1000-2000円で販売しているイヤーピースで、その派生である「T」が4サイズ(S/MS/M/L)も入っています。2200円のイヤホンに専用イヤーピースとは贅沢な付属品。
外観
本体





筐体とノズルはアルミ製のしっかりとした作り。樹脂製のfinal audio E500と比べると見栄えや質感の差が大きい。
外装には「AZLA」「TRINITY」のロゴがプリントされていますが、シャンパンゴールドモデルはロゴがやや見づらい。ロゴに加えて「R/L」も見えづらく、装着時に目を凝らして確認する必要がありました。

ケーブルは着脱不可の一体型。長期使用における破損や故障の場合はイヤホン本体ごと買い換える必要があります。当然、リケーブルもできないので、追加投資を考える必要はありません。(イヤーピースもしっかりとしたものですし)
イヤーピース

SednaEarfit T 専用形状イヤーピースが4サイズ付属。
ケーブル

120cm無酸素銅線を使用。マイク機能には対応していないシンプルなケーブルです。ケーブルの柔らかさや反発力はfinal E500と大差ありません。2本のケーブルを固定するスライダー付き。緩すぎず硬すぎず、適度な操作感で使いやすい。
プラグ

今回はDAPでの使用を前提として3.5mmプラグタイプを購入。本体と同じく金属製のカバーを装着しているので質感が良い。
装着感




final E500 や Funlogy Wired Earbuds と比べると大きめですが、シンプルな形状で圧迫感はありません。耳掛け式ではないものの、それっぽく耳に引っ掛けることができます。タッチノイズが大きめなので、気になる場合は耳掛け式で多少改善します。
安定感のある装着が可能。質感が高いため、長時間着けていても耳に負担がかかりにくい。
音質
鑑賞環境

- 再生機器:FIIO M21(USB DAC mode)
- 再生アプリ:Amazon Music UltraHD / HD
- イヤホン:AZLA Trinity 3.5mm
- イヤーピース:付属品 SednaEarfit T
帯域バランス
ややドンシャリ傾向ですが、ボーカルが引っ込むほどではありません。
低音
音量を上げても圧倒されず、中音・高音と共にバランスよく鳴っています。この価格帯のイヤホンとしては重みのある低音で、迫力を感じられます。音場が近く狭く、明瞭で量感があるものの音が塊となって聞こえます。
中音
迫力のある低音・高音と同じく、中音も同じように迫ってくるような音。低音や高音に負けることなく、しっかりと聞き取ることが出来ます。
ボーカルの解像度も高く、クリア。刺激感が少なく聞きやすい。音楽以外にもYouTubeなどの動画視聴で音声が聞き取りやすいと思います。ただし、映画など空間の音表現は苦手。
高音
金属筐体が功を奏しているのか、余韻少なめながら程よく明瞭で歯切れの良い音。5000-9000円の製品とくらべると若干の曇りがあるものの、ほどよく丸くて聞きやすい。長時間のんびり聴くのであれば、このくらいでちょうど良いのかもしれません。
音場・定位
音場が近くて狭い。迫力があり、定位の悪さも感じませんが、ジャンルによってはごちゃっとした印象を受けます。もう少し引きで聴きたいと思うくらい。
final E500 が対照的。良い悪いではなく、向き不向きがあるのかなと。個人的には、final E500がクラシックやジャズ、AZLAはポップスやEDMなどで使うことになりそう。
まとめ

良いところ・悪いところ
この価格帯では高級感のある作り
付属品が充実
全体的に量感があり明瞭な音質
音場が狭い・近い
リケーブル不可
総評
「この価格帯では」という枕詞が必要ですが、リケーブルやイヤーピースの交換を心配する必要のないオールインワンのパッケージ。スマートフォン付属のイヤホンからアップグレードする最初の選択肢として検討するのが良さそう。
2200円のイヤホンとしては全体的にバランスの良い製品です。本体の作り、付属品の充実、音域を選ばず迫力のある音質。ただし、音場が近くて狭いので空間や音数の多い曲は好みが分かれます。(迫力があるので「これはこれで」という意見もあると思いますが)
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競合製品との比較
final E500

音場が広く、空間表現が得意。かまぼこ型のようにも感じる帯域バランス。AZLAとどちらをおススメするかは重視するポイントやジャンルによります。ボーカルメインのポップスなどはバランス良く量感が得られるAZLA、オーケストラやジャズなどは空間表現の上手なfinal E500が好適。外装や付属品は間違いなくAZLAのほうが高級感のあるパッケージ。
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