このページではfinalのイヤホン「E500」をレビューしています。
製品の評価
迫力のある低音や煌めきのある高音を奏でるわけでは無いものの、音源の位置や距離に忠実で、味付けの無い音。つまらない音かというとそうでもなく、十分な量の低音や高音が出ていると感じます。聴き疲れしないで自然なサウンドを楽しむことができるイヤホン。
イヤホンのアップグレードで低音や高音を期待しているのであれば、E500は少々物足りないと感じるかもしれません。仕事・勉強・読書などの傍らで音楽を聴くためのイヤホンとしては丁度いい感じ。また、没入感のある広い音場を期待しているのであれば、コストパフォーマンスの高いイヤホンとなることでしょう。
製品のおさらい
特徴とスペック

finalは、2007年に設立された日本のオーディオメーカーで、幅広いヘッドホン・イヤホンのラインナップで知られています。高いもので50万円超のD8000ヘッドホンなど。
この「E500」はfinalの中でも非常に安い製品で、市場では2000円を切る価格で入手することができます。
音質を考慮したイヤホンではなく、音の方向感を再現するゲームやVRコンテンツを再生するための新たな研究成果から生まれたと言われています。
製品名 | E500 |
型式 | 密閉型 |
ドライバーユニット | 6.4mmダイナミック型 |
ケーブル | OFCケーブル1.2m |
感度 | 98dB |
インピーダンス | 16Ω |
質量 | 15g |
付属品 | イヤーピース(TYPE E 5サイズ) |
筐体 | ABS |
価格
外観
箱・付属品
箱

白を基調とした、とてもシンプルなデザインの箱です。
付属品

Eタイプイヤーピース5セット、保証書・説明書が付属。この価格帯としてはイヤーピースが充実しています。
外観

筐体の素材はプラスチックで高級感はありません。機能的なものが何もないシンプルなデザインですが、そのぶん非常に軽い。軽いうえにコンパクトなので、装着しても目立ちません。


筐体にプリントは施されておらず、「final」のロゴや「L」「R」の識別は筐体の凹凸のみで見分ける必要があります。これが非常に難しいので、左右の確認は(左右で配色が異なる)イヤーピースの色を覚えておいたほうが良いでしょう。

1.2mのシンプルな黒色ケーブルは筐体に固定されており、リケーブルはできません。2本のケーブルが合流するところにスライダーがあり、あごに近づけることでケーブルを安定させることができます。タッチノイズが大きいので、スライダーを緩めに調整してSHURE掛けしてしまうのも一つの手。ケーブルにマイクや音量調節機能は非搭載。

プラグは3.5mmヘッドホンプラグのみ対応。3.5mmプラグに対応していないAndroidやiOSデバイスで使用するにはドングルが必要。プラグはケーブルに対して直角に取り付けられています。
装着感



筐体が非常に軽量であるため、特に大きな問題はありません。脱落する心配もなし。
イヤーピース

音質
鑑賞環境
- 再生機器:FIIO M21(USB DAC mode)
- 再生アプリ:Amazon Music UltraHD / HD
- イヤホン:final E500
- イヤーピース:E-type 付属品
帯域バランス
フラットでイヤホンとしての味付けが薄め。何かを魅せるような音質ではないものの、音源に忠実で聴き疲れしにくい。無味乾燥・硬調とは対照的で、自然なサウンド。
低音
中音や高音を圧倒するほどの量感ではありませんが、こだわらなければ十分。角が立たない優しい響きながら、明瞭で聴き疲れしません。低音重視の人にとって物足りないかもしれませんが、許容範囲内。
中音
「解像度が非常に高い」とは言えないものの、低音や高音と比べると分離感がよく、ボーカルや各楽器が独立してはっきり聞こえます。
高音
中音が明瞭であるぶん高音が引っ込んだ印象を受けますが、そのぶん耳障りにならない滑らかな高音。バランスのよい高音で低音や中音を補完。角の立たない控え目な音ですが、著しく劣るわけでもありません。
解像度・分離感
解像度
分離感があるので明瞭のように聞こえますが、解像度が特に高いとは感じません。
分離感
この価格帯のイヤホンとしては音の分離が良好。分離しすぎず一体感を残した程よい感じ。
音場・定位
音場
広い。凄い広いとは感じませんが、2000円のイヤホンとしては広い音場で空間を感じることができます。同価格帯のAZLAよりも広い。ただし、左右のの音がやや近め、前後が遠めに聞こえるので、ゲームで使うと読み違えることがありそう。
低音と高音はやや引っ込み気味ですが、中音はかなり近いところで鳴っている印象。ただ、楽曲によってはそうでない場合もあり、実際の音源の位置やマイクとの距離が影響しているのかなと。
定位
定位がとても分かりやすい。解像感があるわけではないものの、音源のある方向から量感がある音が聞こえてくるようです。
まとめ
迫力のある低音や煌めきのある高音を奏でるわけでは無いものの、音源の位置や距離に忠実で、味付けの無い音。つまらない音かというとそうでもなく、十分な量の低音や高音が出ていると感じます。聴き疲れしないで自然なサウンドを楽しむことができるイヤホン。
イヤホンのアップグレードで低音や高音を期待しているのであれば、E500は少々物足りないと感じるかもしれません。仕事・勉強・読書などの傍らで音楽を聴くためのイヤホンとしては丁度いい感じ。また、没入感のある広い音場を期待しているのであれば、コストパフォーマンスの高いイヤホンとなることでしょう。
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競合製品との比較

低音と高音の迫力がE500よりも強い。その反面、中音はE500と比べると少し篭って聞こえます。音場は狭く、全体的にやや近め。定位感は良好ですが、分離感はE500ほどではなく、音の塊として聞こえる部分があります。E500がクラシックやジャズに適するとしたら、AZLA TrinityはポップスやEDM、映画と相性が良さそう。
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